新たな放鳥トキの営巣・放卵確認

平成25年3月19日、環境省からの発表で、新たに1ペアの営巣と営巣中のペアの産卵、放卵が確認されました。3月19日(火)現在、営巣が確認されているトキは4組、そのうち2組で抱卵が確認されています。

1.営巣を開始したペアについて

  個体番号 : No.33(2008年生まれ、オス)及び No.38(2007年生まれ、メス)
  確認日 : 平成25年3月16日(土)
  場 所 : 新潟県佐渡市
  経 過 :
   この2羽は、2011年の繁殖期に初めてペアを形成し、2012年にはそれぞれ別の相手とペアを形成していたが、今年2011年の相手と再びペアを形成した。
  一度相手を変えたペアが、再度以前の相手とペアを形成するのが確認されたのは今回が初めてである。
   3月7日頃から昨年営巣した海岸部のクロマツ林で、枝を運ぶのが確認されており、3月16日にモニタリングチームが観察を行ったところ、
  クロマツの樹上数メートルの場所に巣を作っている様子が確認された。

新たな放鳥トキペアの巣

2.抱卵を開始したペアについて

  個体番号: No.74(2009年生まれ、オス) 及び No.96(2010年生まれ、メス)
  確認日 : 平成25年3月18日(月)
  場 所 : 新潟県佐渡市
  経 過 :3月14日、モニタリングチームがスダジイの樹上約十数mの位置に巣が作られているのを確認した。
  3月17日午前8時頃から巣の設置されているスダジイの幹に小型カメラを設置する作業を開始し、一時トキが巣に戻ったため作業の中断を挟んだものの、11時50分までに作業を完了した。カメラは巣よりやや高めの位置にあり、巣の設置されている枝とカメラとの距離は4~5mほど離れている。映像は、巣から60~70mほど離れた場所にあるテント内の録画機器に録画されている。3月18日に録画データを回収して映像を確認したところ、3月17日16時03分に産卵する様子が確認された。

【繁殖期のトキの観察について】
 繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。