放鳥トキの死亡確認

 平成25年2月3日(日)環境省からの発表で、2月2日(月)に佐渡市の平地林の林内で、放鳥トキ1羽の死体が確認されました。

 この個体は、平成24年9月28日(金)から実施された第7回放鳥において、同日に順化ケージから飛翔したNo.129(2011年生まれ)です。
放鳥トキの死体が発見されたのは、これで5例目です。死亡原因は不明です。

1.死亡した個体 No.129(2011年生まれ、メス)

2.同個体のこれまでの経過
2012年9月28日(金)佐渡トキ保護センター野生復帰ステーションの順化ケージから飛翔(第7回放鳥)。
2013年1月24日(木)新穂地区の水田で他の個体とともに餌を探すのを確認。

3.死亡個体の確認場所・確認状況
(1)確認場所
新潟県佐渡市新穂地区のねぐらの森林内
(通常20羽程度の群れがねぐらとして利用しているスギを中心とする平地林で、ねぐらとして利用している木から数十m離れた地点)

(2)確認状況
  2月2日(土)16時30分頃、同地区の林内で作業を行っている市民から、モニタリングチーム(請負事業者職員)に、トキの羽根が林内に散乱しているとの情報があった。
同日中に環境省職員、トキ保護センター獣医師等が林内の羽根を確認したが、暗くなったため、翌3日午前8時40分過ぎから、改めてモニタリングチーム(環境省職員、請負事業者、鳥獣保護員及び市民)及び佐渡トキ保護センター獣医師が現地調査を行い、林内の4カ所ほどに散在していた足環・トキの羽根、骨片等を確認し、回収した。拾得されたのは、風切羽、羽毛、左右の上腕骨、胸骨等の骨片のほか、脚部に識別のために装着していたカラーリング3個及びナンバーリングであった。リング及び羽根の着色から、当該個体は、2012年9月から実施した第7回放鳥で順化ケージから飛翔した2011年生まれ(2歳)のメスであると判断した。当該個体は、放鳥後継続的に島内で確認されており、少なくとも本年1月24日までは新穂地区で生存が確認されていた。回収された部位が限られているため、直接の死亡原因の特定は困難と考えられるが、上腕骨にタヌキによる捕食を受けたと思われる部分的な欠損が見られた。死亡時期についても特定は困難だが、1月24日には近くの水田で餌を探す様子が確認されており、死亡してからまだ数日以内であると判断できる。

散乱した羽根 
個体識別用のナンバリング

4.放鳥されたトキのこれまでの死体確認例
(1例目の状況)
 ・死体確認日…平成20年12月14日
 ・個体番号…№15(第1回放鳥個体、1歳、メス)
 ・死体確認場所…佐渡市潟端

(2例目の状況)
 ・死体確認日…平成22年12月27日
 ・個体番号…№46(第3回放鳥個体、4歳、メス)
 ・死体確認場所…新潟市西蒲区

(3例目の状況)
 ・死体確認日…平成23年3月28日
 ・個体番号…№70(第3回放鳥個体、2歳、メス)
 ・死体確認場所…佐渡市新穂大野

(4例目の状況)
 ・死体確認日・・・平成24年8月13日
 ・個体番号・・・No.53(第3回放鳥個体、3歳、メス)
 ・死体確認場所・・・佐渡市羽茂地区

 ※年齢はいずれも死亡時のもの