野生下のトキの3組目のふ化(ヒナの誕生)が確認されました。

平成24年5月17日(木)環境省からの発表で、新潟県佐渡市において、4月12日(木)に抱卵を確認した野生下のトキのペアの卵からヒナが誕生したことを、5月17日(木)午前5時55分に、モニタリングチームが確認しました。本年3組目の野生下のトキのふ化の確認となります。
また、4月30日に抱卵を中止していたトキのペア1組が再営巣を開始したことを確認しました。
現時点で、営巣が確認されている放鳥トキのペアは9組で、3組でヒナが確認されているほか、5組で抱卵が確認されています。

以下、環境省からの発表です。

1.ふ化が確認されたペアについて

1羽のヒナと親鳥(オス、メス不明)

(1)個体番号:(2008年生まれ、オス)及び(2008年生まれ、メス)
(2)確認日:5月17日(木)
(3)確認の経過:このペアは、第2回放鳥(2009年9月実施)の際に放鳥された個体同士のペアで、昨年も営巣・産卵が確認されたが、ふ化は確認されなかった。本年は、4月9日(月)に平野部の杉林のスギで営巣しているのが確認され、4月12日(木)の時点で抱卵を開始しているのが確認されていた。
5月17日(木)、早朝にモニタリングチーム(鳥獣保護区管理員)が観察を行っていたところ、午前5時55分から57分にかけて、巣の上の親鳥(メス)がヒナに餌を与えるような動きと、その下でヒナと思われるものが動く様子が確認された。その後、環境省職員も、10時頃及び11時頃にも巣の中でヒナが動く様子を確認した。いずれの場合も、1羽の体の一部がわずかに確認できただけであるため、ヒナの大きさやふ化したと思われる時期は不明である。

2.再営巣の確認について

(巣の上で疑交尾をする2羽)

(1)個体番号:(2008年生まれ、オス)及び(2010年生まれ、メス)
(2)確認日:5月17日(木)
(3)営巣場所:新潟県佐渡市
(4)確認の経過:同ペアは、4月20日(金)に松林のクロマツで営巣・抱卵を開始しているのを確認したが、4月30日(月)に抱卵の中止が確認されていた。
 5月17日(木)、早朝にモニタリングチーム(請負事業者職員)が観察を行っていたところ、午前5時30分に最初に巣を作っていた木から20mほど離れたクロマツの木の枝に、2羽が巣材となる枝を運んだり、巣を整えたりしているのを確認した。巣の全体像は確認できていないが、ある程度巣ができつつあると推定し、再営巣を開始しているものと判断した。
巣の上での擬交尾を行う様子も確認されたが、巣の上に座り込んでいる様子は確認されなかったことから、まだ産卵はしていない可能性が高い。